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エールフランス447便第3回事故調査報告 [エアバス]

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2年前のエールフランスAF447便のエアバスA330墜落事故を調査しているフランス航空事故調査委員会は、パイロットの訓練不足が事故原因に関わっているとの見通しを出した。
調査結果によると「副操縦士は高々度における"計器速度の誤表示"への対応とマニュアルでの機体操作の訓練を受けておらず、」また「副操縦士2名が操縦している状態での機長代行」に関する乗員リソース管理がなかったことを指摘している。

2009年6月1日に乗員乗客238 名が死亡したAF447便では、一連の事象が発生した際、機長は休憩に入っていた。機体はリオデジャネイロからパリに向かっていた。報告書ではあわせて当時パイロットが機体をどのように操縦したかについても疑問を呈している。報告書によると「垂直機体姿勢と垂直速度の誤差に関する呼称動作がされていなかった。」という。加えて「パイロットは共に失速警報に対する操作を行っておらず、」さらに「失速状態にあることを正式に認知していなかった。」という。
一連の事象の最初の90秒間は、機長はコックピットの外で休憩をしていたが、操縦をしていない方のパイロット(PNF)に呼び戻された。操縦をしていたパイロットは3人のうちでもっとも経験が少なかった。

最新の中間報告に基づき、事故調査委員会(BEA)は10個の安全勧告を発行した。その中で、法制当局は訓練とチェックプログラムを見直し、「手動操縦を想定した定期的な訓練」を法制化すべきとしている。この訓練には高々度へのアプローチと失速からの回復操作を含む。BEAはあわせて、法制当局に機長代行の役割を定義し、コックピットにおける2名の副操縦士の業務分担を明確に定めた法がよい、としている。
またBEAは、パイロットがコックピットで迎え角表示器を確認できるようにすることを推奨している。
コックピットの計器パネル全体を撮影するカメラの装着も提起しており、厳格なルールのもとで使用することとしている。
データは航空会社の運航統制センターに送信し、緊急時に機体の場所を特定しやすくし、またそのような場合に緊急位置送信機が作動させることを検討すべきという。

最終報告書は来年に予定されている。第3回中間報告書は7月29日に発行され、機体が高々度で失速し、パイロットが回復操作である機首下げ操作を行わなかったことを改めてまとめている。29秒と54秒後にそれぞれの速度表示は通常に戻っている。このとき機体は高度38,000フィートで速度表示は185ノットだった。この時点では機体は失速しておらず、エンジン出力を絞って、元の巡航高度の35,000フィートに戻れば完全に回復させることができた。しかしながら操縦していたパイロットは操縦桿を引き続け、速度が急速に落ちていった。これを二人の同僚は修正しなかった。高度が落ちていく間、機首上げのままだった。実際のところ、このパイロットは機首上げ操作をしながらエンジン出力を離陸/ゴーアラウンドにセットしていた。
BEAは「自動操縦が解除されてから1分以内に、機体は機首上げの手動操作によって飛行経路を外れていた。」と記載している。

エンジン故障の形跡はなく、舵面は操縦桿の操作と一致していたという。

エールフランスは声明で、「現時点で乗務員の技術スキルを疑う理由はない。」とし、「技術的な状況、システムや警報が乗務員は状況を理解する妨げになっていなかったかどうかを解明することが重要で」、エールフランスの視点ではパイロットは「あきらめることなく、最後までプロとしての業務を全うした。」という。
(7/28 Aviation Week)
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